衛星放送協会

衛星放送協会は、協会会員社が提供する
有料・多チャンネル放送の啓蒙、普及発展を推進する団体です。

活動報告

令和八年年頭にあたって―衛星放送の未来を拓く―

2026.01.05

会長 滝山 正夫

会長 滝山 正夫

新年あけましておめでとうございます。
令和八年の年頭にあたり、日頃より衛星放送事業にご理解とご支援を賜っている関係各位に、心より御礼申し上げます。

ここ数年、メディアを取り巻く環境は、視聴者の行動変容とともに大きく揺れ動いてきました。通信と放送の境界はこれまで以上に曖昧となり、視聴形態は多様化し、コンテンツへのアクセス手段も加速度的に広がっています。一方で、災害時における確実な情報提供や高品質な映像サービスなど、衛星放送が本来的に担ってきた役割は、むしろその重要性を増しています。社会の期待やニーズの変化に、いかに応えていくかが、今まさに問われています。

こうした状況を踏まえ、私たちは従来の慣例に安住するのではなく、次世代の多チャンネル放送の姿を自ら描き、進化させていく必要があります。その取り組みの柱の一つとして、衛星放送協会ではIPユニキャストによる新たな視聴環境の実現を目指します。衛星か通信かといった伝送手段の違いに視聴者を縛ることなく、柔軟で自由度の高いアクセス環境を整えることが、これからの放送の可能性を一段と広げるものと考えています。もちろん、その実現には多くの課題が存在します。まずはチャンネル事業者自らが積極的に参画し、新たなモデルへの意欲を示すことが不可欠です。そのうえで、関係省庁や関係団体の皆様と丁寧かつ実務的な協議を重ね、制度的・技術的なハードルを確実に乗り越えていく必要があります。当協会としても、こうした取り組みを主導し、実現可能なロードマップづくりに力を尽くしてまいります。

また、本年はインフラコストの低減を、これまで以上に重要なテーマとして位置付けています。衛星放送の価値を維持しながら、チャンネル事業者が安定した運営基盤を確保できるよう、協会として効率化やコスト構造の見直しを積極的に進めていきます。これにより、各社がより多くの経営資源をコンテンツ強化やサービス向上に投じられる環境を整え、多チャンネル放送全体の競争力向上につなげていきたいと考えています。

さらに、これまで15年にわたり実施してきた「オリジナル番組アワード」は、その役割を発展的に引き継ぎ、新たな企画へと移行します。多チャンネル放送の可能性を改めて掘り起こし、衛星放送業界全体を盛り上げていくことを目的とした取り組みとして準備を進めており、この企画を通じてオリジナルコンテンツの一層の推進につなげていきたいと考えています。

加えて、コンプライアンスの強化も欠かすことのできない重要な取り組みです。法令遵守はもとより、制作・送出体制の点検、個人情報や著作権管理の厳格化、放送基準の徹底など、協会として多岐にわたる強化策を進めてまいります。放送事業の社会的責任が一段と重みを増す中、視聴者の信頼を確保することが、私たちの活動の根幹であることに変わりはありません。

令和八年は、従来の枠組みを超え、具体的な一歩を踏み出す一年と位置付けています。変化を恐れず挑戦を続けながら、衛星放送の価値と可能性を次の時代へ確実につないでいく所存です。本年も関係各位のご理解とご協力を賜りつつ、未来に向けて歩みを進めてまいります。

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