活動報告
2025年
第1回衛星放送協会 広告委員会セミナー
2025.03.10

木村有宏氏
第1回となる衛星放送協会 広告委員会セミナーが、3月4日(火)にオンラインにて開催されました。公益社団法人日本広告審査機構(JARO)審査部長 木村有宏様・審査部 西中典子様を講師にお迎えし、「広告・表示のフェアプレイ-適正な広告・表示を実現するために-」をテーマに講演を実施していただきました。
2023年度におけるJAROでの総受付件数は10,874件で、コロナ禍で増えた2020年度からの減少傾向が続いております。うち苦情が8,727件、照会が1,531件、賞賛が19件、その他が597件となりました。アフターコロナで社会活動が正常化したことにより、テレビなどの広告視聴時間が減少した結果、苦情が減少傾向となったと推測されます。テレビ・インターネット2媒体の占有率高止まりが依然として顕著となっております。テレビに寄せられた苦情を業種別でみると22年に1位だった医薬部外品は変わらず1位、2位は団体となりました。
インターネット上の事案ではありますが、アフィリエイターが記事体広告を出し悪質な表現で刈り取った消費者を販売者のサイトに送る手口が多いようでした。薬機法上広告代理店が勝手にやった、アフィリエイターが勝手にやっていたという言い訳は通じない事、文書を送付し改善を促しました。
テレビSPOTでも、医薬部外品薬用歯磨きジェルで卵の殻の成分含有というだけで、卵の殻による洗浄実験をする演出がありました。歯への効果を示すものではないとの打消し表示がありましたが、薬機法、医薬品等適正広告基準に抵触する恐れがあり、改善を促しました。

木村有宏氏
不動産投資 売上NO1という動画広告もボードゲームをしている体で、不動産投資で確実に利益が出るかのような表記をしておりました。不動産投資会社の言い訳はゲーム上の演出ですとのことですが、有利誤認を期待していることは明白。改善を促しました。
消費者庁の措置命令では、中古車販売業者の不当表示がありました。事業継承前の事案であっても事業継承者に責任が及んでしまう場合ありますので、注意が必要です。
フィットネスクラブでは24日間利用可能がという謳い文句が、実際と乖離があった事、事業者がインフルエンサーに依頼した投稿を、自社のHPでお客様の事として表示していた事が、改善命令を受けております。
近年上記の様な金銭によるステルス広告以外でもインフルエンサーに商品提供して、第三者の自発的SNSとして、事業者の表示であることが消費者に分かりにくい事案がありました。
不誠実な不当表示広告を放置することは結果として業界全体の信用を下げ、健全な広告活動を阻害してしまいます。正直で適正な広告表示こそが業界の健全な成長に寄与しますので、媒体社、広告代理店の皆様も誠実な広告を心がけてほしいという結論で締めくられました。
開催日時 | 令和7年3月4日(火)13:30~14:30 |
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形式 | オンライン開催 |
参加社数 | 19社 55名 |
講師 | 公益社団法人日本広告審査機構 審査部長 木村有宏様・審査部 西中典子様 |
衛星放送会長 年頭挨拶
2025.01.22

会長 滝山 正夫
皆さま、あけましておめでとうございます。
相次ぐ天災や物価高騰など、決して明るい話ばかりではなかった昨年でしたが、今年は大変穏やかな新年を迎えられたことをまずはお慶び申し上げます。
さて、昨年は、AI技術の進化が一層加速した年でした。特に、生成AIやディープラーニングの革新的な進展は、私たちの日常生活にも大きな影響を与えました。AIによる画像や動画の生成、自然言語処理の技術がクリエイティブの可能性も広げ、新しい制作手法が誕生いたしました。
我々衛星放送事業者としても、こうした新技術を積極的に取り入れ、ストリーミング放送や配信を組み合わせた新たな利便性の高いサービスを充実させ、既存の視聴者の満足度向上はもちろん、新たな視聴者の獲得にもつなげていきたいと考えております。
当協会も「衛星放送ワーキンググループ」でオブザーバーとして参加していた総務省の「デジタル時代における放送制度の在り方に関する検討会」の第3次取りまとめが昨年12月に公表されました。
我々にとって急務であるインフラコストの低減につきましては、2029年度後半を目標に打ち上げる新規衛星には左旋中継器を搭載せず、BS、CS放送のハード事業者が共同で調達、打ち上げをすること、また、右旋帯域を有効活用しHEVC方式による2K放送を行うための制度整備を進めることが決まりました。
当協会としては、この取りまとめをベースに引き続き議論を深め、関係各位と協議の上、早期のインフラコストの低減に向けて取り組んで参りたいと存じます。
一方、オリジナルコンテンツ強化の一環として、2011年から開催している「オリジナル番組アワード」が今年で第15回を迎えます。
この第15回という節目にあたり、改めて動画コンテンツにあふれる中で、我々衛星放送ならではのオリジナリティあるコンテンツの制作を追求するとともにそのコンテンツを起点とした新規ビジネスの拡大にチャレンジして参りたいと存じます。
さらに、当協会では、コンプライアンス重視の姿勢を一層徹底してまいります。昨今、インターネット、SNS等、情報の真偽について問われる事象が多く見受けられる中、私どもは放送における信頼性の担保を重視し、会員社に向けては一層の啓蒙活動を進め、業界をあげて放送倫理の向上に努めてまいります。
衛星放送は地上波とインターネットの間にある、公共性と独自性のバランスが取れたメディアです。引き続き、個人の嗜好に寄り添うオリジナリティあふれるコンテンツと、信頼のおける情報とを発信するメディアとして視聴者の皆様とともに歩んでいく所存です。
衛星放送を取り巻く諸課題の改善に向けては、ここにお集まりの皆様、会員の皆様のお力添えが不可欠でございます。
今年6月には協会理事の改選もございますが、引き続き、協会活動への皆さまのご理解とご支援をお願い申し上げます。
最後になりますが、衛星放送事業のますますの発展を祈念するとともに、皆様とご家族のご活躍、ご健勝を心より願い、新年の挨拶とさせていただきます。
ありがとうございました。
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