衛星放送協会

衛星放送協会は、協会会員社が提供する
有料・多チャンネル放送の啓蒙、普及発展を推進する団体です。

活動報告

2024年 総務省講演会 『衛星放送を巡る現状について』

2024.08.28

岡井課長

岡井課長

6月10日(月)に、総務省情報流通行政局衛星・地域放送課岡井課長を講師にお迎えし、『衛星放送を巡る現状について』をテーマに講演を実施した。

冒頭、衛星放送に焦点をあててお話をすることにより、現状を新しい視点も含めて提供、認識を共有したうえでこれから課題に取り組む契機になればと思い、放送を取り巻く環境、取り組み、政策、検討状況など幅広くお話をさせて頂く、とのご挨拶を頂いた。

講演内容は、1.放送を取り巻く環境の変化、2.災害発生時における衛星放送の活用、3.4K8K衛星放送等の普及促進、4.衛星放送ワーキンググループにおける諸課題の議論・検討、5.衛星基幹放送関連の制度整備の5章からなり、概要は以下の通り。

1.放送を取り巻く環境の変化

テレビ離れ、インターネット利用の進展については数値(グラフ)を用いて、ネット配信サービスの進展状況については年表を用いて説明があった。

・令和4年度の放送メディアの収入3兆6,688億円の内衛星放送は約5,246億円であり、約14.3%を占めているが、営業損益は前年度比では約3割減と厳しい環境が示されている。

2.災害発生時における衛星放送の活用 ~令和6年能登半島地震における事例~

令和6年能登半島地震による放送インフラの被害状況と放送事業者の対応について説明があった。

・NHKが衛星放送を使ってNHK金沢局の番組を放送し、また、その取組が途切れることなく継続したことで、衛星放送の価値が改めて再確認されたのではないか。

3.4K8K衛星放送等の普及促進

衛星放送による4K8Kの状況、およびケーブルテレビによる4K8Kの状況について説明があった。

・更なるコンテンツの充実が課題であり、様々な取組を継続して行っていくことが必要であること。

・現在、衛星放送で4K放送が見られることの認知度は現在4割程度であり、まだまだ広報などに力を入れていく必要があること。

・4K8K衛星放送視聴可能機器の出荷台数は累計約1,921万台(2024年3月末)と伸びていること。

・新たに3社、4K放送を認定したこと。

・厳しい国内市場環境の中、海外に活路を求める展開も見えてきていること。

4.衛星放送ワーキンググループにおける諸課題の議論・検討

放送業界に係るプラットフォームの在り方に関するタスクフォースによる、共同衛星、管制の在り方等について、質の確保とコスト抑制の両立に資する課題の整理と解決方策の検討をすべきとの提言を受けてワーキングが立ち上がったことと、今後の検討の方向性についての説明があった。

5.衛星基幹放送関連の制度整備

◇ 放送法及び電波法の一部を改正する法律(令和5年法律第40号)の概要
・放送設備の外部利用への対応について

◇ 衛星放送におけるマスメディア集中排除原則の見直しについて
・(参考)デジタル時代における放送の将来像と制度の在り方に関する取りまとめ(第2次)

マスターを外部に委託(クラウド化も含む)する際には、委託先も含めた業務の管理体制をしっかりと構築してほしい旨定めていること、また、衛星放送におけるマスメディア集中排除原則の緩和についての説明があった。

開催日時 2024年6月10日(月)16:30~17:30
会場 経団連会館 2F 国際会議場
参加社数 117名(凡そ55社)
講師 総務省情報流通行政局衛星・地域放送課岡井課長

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衛星放送協会2023年度著作権セミナー
『生成 AIサービス 利活用における法的留意点について』

2024.04.10

ChatGPTの登場により身近に感じる存在となった生成AI。情報収集や資料作成などオフィスワークでの活用が進み、今後は、番組や番宣の制作、WebサイトやSNSでの情報発信における作業効率化を目的として、生成AIを活用したコンテンツ制作(テキスト、画像、音楽、動画等)も進んでいくことが想定されます。

2023年度の著作権セミナーでは、IT分野を多く取り扱う弁理士・弁護士 濱野敏彦 氏を講師にお迎えし『生成AIサービス 利活用における法的留意点について』をテーマに、生成AIの概念、生成AIの利用動向、事例を踏まえた法的留意点をご解説いただきました。

概念説明においては、生成AIの特徴はパターン処理(帰納的処理)であり、生成AIの登場まではコンピュータでパターン処理(帰納的処理)を行うことは殆どできなかったため、今後、様々な分野で、生成AIの利用が進むことを理解することが出来ました。

利用動向については、翻訳、プログラミング支援ツール、大規模言語モデル、画像生成AI・動画生成AI、それら各生成AIの特徴と利用事例、現状などについて解説頂きました。

法的留意点については、具体的な想定事例をあげて、生成AIと著作権法30条の4の関係性、オーバーライド問題、生成AI出力の著作物該当性、生成AI出力の利用による他者の著作権侵害について解説頂きました。放送事業者になぞらえた想定事例を多くあげて説明いただき、今後の利活用をイメージする上で、非常に参考になったのではないでしょうか。

今回も多くの方にご参加いただき、会員社の関心度の高さを感じられるセミナーとなりました。著作権委員会としましても、今後も引き続き生成AIの状況や動向に注目して参ります。

弁理士・弁護士 濱野 敏彦
開催日時 2024年3月18日(月)15:00~16:30
会場 衛星放送協会よりオンライン開催(著作権委員の希望者のみ会場参加)
参加社数 107アカウント(凡そ40社)、会場参加5名
講師 弁理士・弁護士 濱野 敏彦 氏
(西村あさひ法律事務所・外国法共同事業)

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衛星放送協会 第16回人材育成セミナー
「エンターテインメント業界の魅力ある組織づくり
~サンリオピューロランドの再生から学ぶ、これからの働き方~」

2024.04.05

総務委員会では、2024年3月28日に「第16回人材育成セミナー」をオンライン開催しました。株式会社サンリオエンターテイメント 代表取締役社長 サンリオピューロランド館長の小巻亜矢氏を講師にお迎えし、「エンターテインメント業界の魅力ある組織づくり~サンリオピューロランドの再生から学ぶ、これからの働き方~」と題して、サンリオピューロランド再建時やコロナ禍での経営および組織運営、ウェルビーイングについてお話を伺いました。

1990年のサンリオピューロランドのグランドオープン以降、魅力あるキャラクターが存在する一方でターゲット設定やバランスが明確でなかった時代を経て、2014年に小巻氏がサンリオエンターテイメント顧問に就任、2016年にサンリオピューロランド館長に就任され、よりターゲット設定の明確化やお客様へサービスを提供するスタッフ同士の対話フェス、ウォーミングアップ朝礼などを実践し、大人も楽しめるテーマパークとして来場者数を伸ばしたことを紹介。

その矢先に2020年からのコロナ禍で休館を余儀なくされるも、そこから再度再生していく背景にあった、コロナ禍が明けたらお客様に来て頂けるよう「休んでたって・・・ここにいるよ」のショートムービーを制作公開されたエピソードの他、同社のビジョンやミッション、kawaii研究のエッセンスを交えお話し頂き、会員社の組織作りや人材育成に役立つヒントが散りばめられたセミナーとなりました。

開催日時 2024年3月28日(木)15:30~16:40
会場 衛星放送協会よりウェビナー
講師 株式会社サンリオエンターテイメント 代表取締役社長
サンリオピューロランド館長  小巻 亜矢 様

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第33回倫理委員会・CAB-J共催セミナー

2024.03.30

山本一広氏

山本一広氏

第33回となる倫理委員会・CAB-J共催セミナーが、3月12日(火)にオンラインにて開催されました。公益社団法人日本広告審査機構(JARO)の山本一広専務理事を講師にお迎えし、「広告・表示のフェアプレイ-適正な広告・表示を実現するために-」をテーマに講演を実施していただきました。

2023年度上半期におけるJAROでの総受付件数は5,583件で、これは前年同期比87.2%となります。うち苦情が4,437件(同91.6%)、照会が842件(同72.6%)、広告以外が248件(同71.3%)となりました。アフターコロナで社会活動が正常化したことにより、テレビなどの広告視聴時間が減少した結果、苦情が減少傾向となったと推測されています。テレビ・インターネット2媒体の占有率高止まりが依然として顕著であるもののラジオ・折込・交通以外、殆どの媒体で減少を見せました。業種別でみると22年に1位だった医薬部外品の1位は変わらないものの、2位の化粧品は40%近い大幅減で3位となり化粧品広告の健全化は顕著でした。しかし、アフターコロナで減少したオンラインゲーム、医薬品などにおいては苦情が大幅に増加し、特定業種において問題広告が増える結果となりました。

総受付件数5,583件のうちJAROの審査対象となり見解が出された件数は17件で前年同期13件と比べ増加傾向、最も重い処分の厳重警告も前年同期6件から10件に増加するなど悪質化が目立つ結果となりました。対象媒体ではインターネット広告が16件と前年同期12件から増加し悪質な事業者がネット中心に広告する実態が浮き彫りとなる結果でした。テレビでの見解は無くテレビ業界では適正な広告表示が行われていることを想像させる結果となりました。

審査広告事例は、ダイエット系の厳重警告が依然多く、エステサロンでの通い放題・返金保証の不当表示、医療ダイエットの割賦販売法違反、誇大広告、機能性表示食品のダイエット効果に関する不当表示が目立つ結果となりました。

インターネット上の不当広告の増加対策として、昨年10月ステルスマーケティングの禁止が告示に追加されました。また、景品表示法の改正も近く見込まれており、違反事業者の自主的取り組みの促進、違反行為に対する抑止力の強化、円滑な法執行に向けた整備、海外通販での適用、買取事業を役務提供のサービスとして景品表示法の適用を可能とさせる予定であることも説明されました。

講座は、不当表示広告を放置することは結果として業界全体の信用を下げ、健全な広告活動を阻害する。適正な広告表示こそが業界の健全な成長に寄与していくという結論で締めくられました。

開催日時 令和6年3月12日(火)13:30~14:30
形式 オンライン開催
参加社数 29社 56名
講師 公益社団法人日本広告審査機構 専務理事 山本一広氏

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