毎年年末年始に開催される全国高校ラグビーフットボール大会、通称「花園」を全50試合生中継している当社は、選手や監督のラグビーに対する熱い思いを伝えることを使命に中継している。
この番組では、中継では伝えきれない部分を掘り下げ、より深い思いを表現すべく、花園に向かうまでの御所実業に密着し、試合以外の「熱」を伝えることを意図して制作した。
作品紹介
第99回全国高校ラグビーフットボール大会においてベスト8に進んだ高校の中で唯一の公立高校だった奈良県立御所実業高等学校。
御所実業はその後も強豪私立を破り、決勝戦まで勝ち上がった。
この番組では、私立全盛の高校スポーツ界において公立高校ながら御所実業が勝ち上がった理由を紐解くべく、同校ラグビー部に密着。
監督就任31年目の竹田寛行は就任当時、部員わずか2名からスタートし全国の強豪へ育てあげた。その竹田監督がこだわるのが、生徒たちに「人間力」を身に付けさせること。選手の親や地域の人たちから力を借りて、全国大会に挑む様子を取材した。
©J SPORTS
作品動画
【審査員講評】
放送作家 石井 彰
強豪高校の練習や試合に密着して、彼らの強さの秘密にグイグイ迫っていく。その構成とカメラワークは秀逸で見るものを飽きさせない魅力があった。特に試合の展開やラインの動きまでわかりやすく、かつダイナミックに伝えた低い視点からの撮影は、長年にわたりラグビー中継をしてきた歴史の賜物と言えるだろう。また輝かしい勝利だけでなく、ラグビー部の敗北や存続の危機=練習中の死亡事故にも光を当てたことで、番組に深みすら感じられた。竹田監督の武骨さ、短い言葉の奥にある万感の想いすら見えてくる優れた番組として、高く評価します。