開局10周年という節目の年を迎えるにあたり、他ではまったく放送していない新ジャンル「世界の歴史ドラマ枠」を設定。グループインタビューやコンテンツマーケットで入念なリサーチを重ね、従来の「日中韓の歴史ドラマ」から欧米を含む“世界”に広げることで他局との差別化、新規視聴者の開拓を狙った。

作品紹介

編成の3本柱のひとつ「歴史ドラマ」の枠をこれまでの日本・中国・韓国からトルコ、スペイン、ロシアなど欧米を含む“世界”に拡大し、年間編成として企画。
「クイーンメアリー」（仏）、「オスマン帝国外伝～愛と欲望のハレム～」（土）、「イサベル～波乱のスペイン女王」「フアナ～狂乱のスペイン女王～」「カルロス～聖なる帝国の覇者～」（西）、「エカテリーナ」（露）を24時以降に帯編成した。「クイーンメアリー」以外は日本初放送ということもありワーキング層の視聴を獲得し、どの番組もチャンネルの平均視聴率を上回る結果となった。
特にトルコドラマは地上派を含めて一切放送されたことがなく、業界内外からの注目が集まった。各ドラマのローンチにあたっては、トルコ・スペイン・ロシア大使館や各国の文化交流団体の後援のもと、先行試写会イベント等を開催し積極的にPRを行った。

© Tims Productions

【審査委員講評】　千葉 厚子（スカパーJSAT株式会社 プロモーション部オウンドメディアチーム長）
編成上の企画だけでなく、放送とリアルな体験を結び付けた立体的な企画が年々増えていることが時代を表している。最優秀に輝いた「世界の歴史ドラマ」は、新たなファン開拓に向けた放送事業者の積極的な姿勢が素晴らしい。送り手の情熱だけでなく、ターゲットを絞りライフスタイルに上手く合致させた編成や、各国の大使館の協力を得てオフィシャル感を醸成できたこともよかった。総合的に企画力、発信力ともに質の高い企画になったと評価した。

【審査委員講評】　村田 雅幸（読売新聞東京本社 編集局文化部 次長）
アイデアと行動力が生きた企画だ。日本未放送の作品を中心に海外の歴史ドラマを集め、トルコ、スペイン、ロシアの作品では大使館の協力を得てイベントも開催。文化交流の場まで作った、局の心意気に感じ入った。歴史ドラマには、その国の“個性”が表れる。楽しみながら見るだけで、それぞれの歴史や文化に触れられ、他国への想像力が膨らむ。世界各地で紛争がやまぬ今、その側面からも意味のある編成だったと言えるだろう。