オリジナル番組アワード 大賞
【ドラマ番組部門】
三屋清左衛門残日録 三十年ぶりの再会
時代劇専門チャンネル(日本映画放送株式会社)
作品紹介
東北の小藩で用人を務めた三屋清左衛門は、息子に家督を譲り隠居生活を始める。悠々自適な日々を思い描いていたものの、実際には得も知れぬ空白感に襲われる。清左衛門は、それを埋めるべく日記「残日録」を記すことに…。しかし寂寥の日々も束の間、清左衛門のもとには様々な事件が持ち込まれ、その解決に奔走する。親友の町奉行・佐伯熊太をはじめ、息子の嫁・里江や、小料理屋「涌井」の女将・みさたちと関わり、“隠居の身”を実感しながらも、日々の暮らしに真摯に向き合う清左衛門―。そんなある日、かつて通った中根道場の仲間を集めて三十年ぶりの旧交を温める。若かりし頃の話に花が咲き、楽しい一夜を過ごした清左衛門だったが…。
©2018時代劇専門チャンネル/BSフジ/東映 藤沢周平®
【審査委員講評】 ノンフィクション作家 吉岡 忍
地上波やネット配信で賑やかにやっている番組に、日々の私たちが意識的・無意識的に求めている質感に応えるものがない。何を求めているのかさえ、ときどき私たちにもわからなくなる。衛星放送が専門チャンネルにわかれているのは、迷ったときの検索語のようなものかもしれない。今回の大賞は、まさに一発で目当てのものを引き当てたような爽快感がある。
藤沢周平は、賑やかな世の中から振り落とされた人間の逡巡と情緒と寂寥に目を凝らし、その底のほうから生きることの意義や確信をすくい上げた作家だった。この作品はその原作の味を、重厚な制作陣と役者をそろえ、昂ぶることなく、鮮やかに映像化している。すでに定評のあるチャンネルとはいえ、着実にオリジナル作品を積み重ねている努力も称賛に値する。
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