オリジナル番組賞 ドキュメンタリー番組部門
BS1スペシャル
なぜ日本は焼き尽くされたのか
~米空軍幹部が語った“真相”~
NHK BS1(日本放送協会)
1945年、日本はなぜ焼け野原になったのか?去年4月、米軍内施設で空軍幹部246人の肉声テープを発見。日本への空爆を計画・実行したルメイなど幹部の貴重な証言だった。発掘した証言記録や機密資料などから、無差別爆撃がどう始まり、拡大したのか、米軍内部の変遷を浮き彫りにしていく。
作品紹介
太平洋戦争末期、日本は全国60以上の都市を焼き尽くされ、わずかな期間で40万人もが犠牲となった。日本が敗色濃厚となる中、なぜ米軍は徹底した無差別空爆を続けたのか。BS1戦争特番の取材チームがアメリカ軍を取材中の去年4月、米軍施設で半世紀以上前の空軍幹部246人の肉声テープを発見した。そこに収められていたのは日本への空爆を計画し実行したカーチス・ルメイなど幹部の貴重な証言。軍内の記録用インタビューのため、彼らの野望や焦りなど本音が赤裸々に語られていた。発掘した証言記録や資料などを元に、日本への無差別爆撃がどのように実行されていったのか、その真相に迫り、戦争の恐ろしさの本質を見ていく。
【審査委員講評】 石井 彰(放送作家)
アジア太平洋戦争における米軍の東京大空襲など、日本各地への無差別爆撃の背景に何があっのか?彼らを突き動かしていたものはなんだっのか?新たに発券された米軍幹部246人の肉声テープをもとに分析して、その実態を暴き出した大変な労作です。肉声の翻訳とそれらをつき合わせ、関連づけていくために、膨大な時間と多くのスタッフの力がなければできなかったでしょう。その結果、あくまで米軍内部の主導権争いなどの事情により、各地へのじゅうたん爆撃と原爆投下が行われたことや、日本との戦争が不可避であると予想していたことなど、いくつもの新たな歴史的発見に驚かされます。戦争と、軍隊という組織が持つ不可逆性は現代にも通じるところがあり、戦慄さえ覚えます。
重厚かつ見ごたえのある戦争ドキュメンタリーの傑作です。
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