オリジナル番組賞 ドラマ番組部門
ドラマW「遠い日のゆくえ」
WOWOW(株式会社WOWOW)
プロ・アマ問わず優れた作品を発掘し、脚本家の育成を通じて広く映像文化の発展に貢献することと、その映像化を目的に創設された「WOWOWシナリオ大賞」。本作品は、第3回WOWOWシナリオ大賞で過去最多となる730編の応募作の中から大賞に選ばれた脚本(受賞タイトル:「仄かに薫る桜の影で」)をベースに映像化したもの。独居世帯と孤独死の増加、無縁社会という世相を背景に、死者の生の軌跡を辿ることで今を生きる若者の心の成長を描いた感動作である。
作品紹介
11年前に母を亡くし、空虚感を抱えて生きている主人公、孝志は特殊清掃業(=孤独死、自殺、事故死等が原因と思われる現場の室内清掃業)で見習いとして働き出す。淡々と死と向き合う日常のなかで、ある日、孤独死した女性の遺品から日記を見つけて読んでしまう。「死」の現場から発見された「生」。そこに記されていたのは、少女のみずみずしい初恋と、思春期の葛藤だった。しかし、日記を読み進めるにつれ、孝志は少女が背負っていた驚くべき秘密を知ることになる。「死にたい」と書かれた日記の最後のページ。孝志は心が揺さぶられるまま、少女の未来を探しに女性の故郷・金沢へと向かうが、そこで孝志は、隠された真実を知ることになる。そして、思わぬかたちで一人の少女が綴った日記が、様々な人生をつなぎ、主人公に「生きる意味」を深く問いかけていくことになるのだった・・・。
【講評】:鴨下 信一 審査員
最優秀作「遠い日のゆくえ」は、孤独死という近未来の日本が必ず迎える問題を冒頭にすえ、そこから旧い日本へと時を遡り、また、現代に帰る構成で、時間軸を往き来することでこの国の特質が明らかになる仕掛けです。
こうした正統派が、いまなかなか地上波に乗らない。このドラマを過去の方角へとたどれば「夜兎の角右衛門」のような時代劇(ファンはまだ多いのですが地上波からは遠ざかりつつある)に当り、逆方向に伸ばせばまだ未来にあって最近のテレビにはなかなか現れない(新しいドラマ素材の「東京航空交通管制部」、感覚中心の「片腕」、文字通り新鮮な「私が初めて創ったドラマ」等の)ジャンルに当る。これも時間軸に沿って見れば、衛星放送制作のドラマの特質というか、目指さねばならぬ方向がすぐわかる。ドラマ番組部門の最優秀作はとても<象徴的(シンボリック)な>作品が選ばれました。
エントリー作品一覧
はノミネート作品です
環境超人エコガインダーII |
ハッピー!クラッピー |
欧州・空の下の物語 #6 フランス 2人のパリ |
鬼平外伝 夜兎の角右衛門 |
妖しき文豪怪談「片腕」 |
私が初めて創ったドラマ「リボルバーズ」 |
TOKYOコントロール 東京航空交通管制部 |
ドラマW「遠い日のゆくえ」 |
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